走筋道では、走(ジョギング)と筋(筋トレ)を、毎日交互に繰り返す。
となると、
「毎日って、休養日は要らないの?」
という疑問が湧くのも自然である。
走筋道を広めるにあたって、ここの確認は欠かせない。
ということで、以下の観点から確認してみた。
- 健康長寿
- 心血管系
- メンタルヘルス
- 神経
- 組織
- ホルモン
結論を先にまとめると、
走筋道の運動量は適切であり、毎日続けることによる心身への明確な悪影響は示されていない。
となった。
順番に確認していこう。
健康長寿への悪影響
まず、
毎日、もしくは高頻度で運動を行うことが健康長寿を損ねる、とした論文は見当たらなかった。
そして、アメリカの身体活動ガイドライン[1]では、
一定量の有酸素運動を「週全体に分散させて」行うことを推奨しており、
適切な運動の例として、
毎日の早歩き(30分以上) + 週2の45分の高強度有酸素運動 + 週2の筋トレ + 週1の90分間のカヤック
というかなりアクティブな例も紹介されている。
また、このガイドラインでは、
「一日を通して、より多く動き、座る時間を減らす」
ことを推奨している。
ということで、「毎日の運動」自体が健康長寿に悪影響を及ぼすということはないと考えて良さそうだ。
ただ、Mommaら(2022)[2]は、
- 筋トレの時間と全死因死亡、心血管疾患、癌についてはJ字型の関連が認められ、週に30~60分で最大の効果が得られたが、週に130~140分を超えるとその効果が消失する
- ただし、高用量の筋トレの影響については、データが不足しており不明確
としており、注意が必要そうだ。
筋力・筋肉量は健康にプラスなので、
走筋道では、最短でこれらを得るために、1回25分(週87.5分計算)を筋の上限としている。
それでも、最適域は超えてしまうが、グラフからは有意なリスク低下が認められる範囲に収まる。
では、続いて心血管系への影響について確認してみよう。
心血管系への悪影響
やや古いソースにはなるが、Patilら(2012)[3]は、
以下のような運動は、心血管系に悪影響を及ぼし得るとしている
- 休憩なしの1日1時間以上の激しい持久運動
- 8マイル(約12.9km)/h以上の走行
- 週に約32km以上の走行
- 週に6回以上のランニング
走筋道の観点からは、8マイル/h以上という速度制限は気になるところではある。
ただ、より新しい、14件の研究の合計23万人以上を対象としたPedisicら(2019)[4]によるメタ解析では、
ランニングによる死亡リスク低減効果は認められたが、走行頻度、時間、ペース、総量と死亡リスクの間に用量反応関係は認められなかった
としている。
これは、自己申告によるデータ精度の問題や高用量におけるデータの不足などの影響もあるとされており、用量反応関係の存在を否定するものではないが、上記速度制限については「本走」の強度までであればあまり神経質にならなくても良さそうだ。
残りの項目については、別記事で詳述しているので、各結論のみ確認していこう。
その他の悪影響
メンタルヘルスへの悪影響
運動のメンタルヘルスへの効果をまとめた記事がこちら。
週6回以上の運動はメンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性も示唆される[5]が、
やはり過剰な「量」などの影響である可能性も疑われ、あまり心配ないと考えた。
神経疲労
神経疲労について調査した記事はこちら。
調査の結果は、
- 自律神経の疲労:筋では90分程度、走では1日以内に回復しそう
- 中枢性疲労:走では数時間以内、筋では2日以内に回復しそう
というもので、「走筋道のおいてはあまり気にしなくて良い」という結論に至っている。
組織損傷
筋損傷、腱や骨への過負荷、関節ストレスについて調査を行った記事がこちら。
気をつけるべきは、「走+筋の両方による同部位への毎日の負荷」による筋損傷であり、「筋のメニューが適切なら累積負荷による故障リスクは低い」との結論に至っている。
ホルモンへの悪影響
運動によるホルモンへの悪影響については、こちらの記事で調査している。
結論は、走筋道の想定する強度・量で、栄養も足りていれば、
「走筋道の運動でホルモンは基本崩れない」
との結論であった。
結語
ということで、もう1度結論を確認しておく。
走筋道の運動量は適切であり、毎日続けることによる心身への明確な悪影響は示されていない。
ただし、
走筋道は“安全が証明されている方法”ではなく、“既存エビデンスから安全域に収まるよう設計された仮説体系”である。
また、運動を行う以上、どうしても怪我のリスクは生じるし、心身の状況、回復能力には個人差がある。
もし不調を感じた時は、迷わず休んで欲しい。
休んだからと言って走筋の道は途絶えない。再び歩み出せば良いだけだ。
参考文献
- Physical Activity Guidelines for Americans 2nd edition
- Momma H, et al. (2022). Muscle-strengthening activities are associated with lower risk and mortality in major non-communicable diseases: a systematic review and meta-analysis of cohort studies. DOI: 10.1136/bjsports-2021-105061
- Patil HR, et al. (2012). Cardiovascular Damage Resulting from Chronic Excessive Endurance Exercise. PMID: 22953596
- Pedisic Z, et al. (2019). Is running associated with a lower risk of all-cause, cardiovascular and cancer mortality, and is the more the better? A systematic review and meta-analysis. DOI: 10.1136/bjsports-2018-100493
- Chekroud SR, et al. (2018). Association between physical exercise and mental health in 1·2 million individuals in the USA between 2011 and 2015: a cross-sectional study. DOI: 10.1016/S2215-0366(18)30227-X





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