走筋道【仮説の書】

科学的な裏付けを積み上げ、揺るぎなき『指南の書』を編むには、未だ多くの時を要す。

故に、当座の指針として、走筋の道における我が思索の現在地を『仮説の書(通称:外典)』として記すこととす。

此処に綴られしは、決定事項に非ず。
あくまで、現時点において我が最適と信ずる「走筋の在り方」なり。

未完の理なれど、同志諸君が「日々万全」を期するための標(しるべ)となれば幸いなり。

序論

第一節 【走筋両輪の必然】

一、走と筋は、健康長寿の大路を進むための両輪なり
二、走による心肺体力の練磨と、筋による肉体の構築は、各々身体の健やかさに資するものなり
三、走と筋は相乗の理を有し、走筋として修めることで、各々単独での限界を超えたる健康効果を示す
四、走と筋は身体のみならず、脳の健やかさにも不可欠なれど、両者は異なる作用にてこれに寄与す
五、走と筋を組み合わせることで行(ぎょう)は日々途絶えることなく続く。これにより行は「特別」から「日常」へと変容し、その実践は習慣となり、却(かえ)って容易となる

第二節 【走筋の極み】

一、走筋の極みは、『日々万全』なり
二、これは、心身ともに充実を極め、その日の最高と確信し得る状態にて日々を過ごし続ける様(さま)を指す
三、長寿もまた走筋の目的とせんが、これは「日々万全」の積み重ねに対する肉体の応報と心得るべし

第三節 【個々の調律】

一、走筋の行に差し障り得る持病がある者は、医師の助言を仰ぎ、実施の可否を判断せよ
二、身体の特性は個々で異なる。以降で定める規律に過度に縛られることなく、常に己の体調に注意を払い、必要に応じて調整を施すべし
三、心身に不調をきたしたる際は、迷うことなく「休養」という名の行に転ぜよ

核論

第一節 【走筋の交互連鎖】

一、走と筋は毎日交互に行う
二、行が途絶えても気に病まず、速やかに再開する

第二節 【拾遺】

一、各行の前には、5分程度の「起動の儀」(ウォーミングアップ)を行う
一、行は、目覚めより1時間以上経過してから行う

走論

第一節 【走の速度】

一、走は「ジョギング」を以て基本とするが、個々の能力により「ウォーキング」にもなり得る
二、苦あらば、歩を以て繋げ
三、走の吸気は、鼻から行うを常とし、呼気も鼻から行うものを「鼻呼吸」、呼気は口から行うものを「鼻吸気」と呼ぶ
四、走は、二つに分かたれる

  • 緩走:鼻呼吸で十分足りる穏やかな走。心身を整え、酸素を使う能力を底上げする。
  • 本走:鼻吸気の限界に近く、心地よき負荷を感ずる走。走の出力を高め、速度を押し上げる刺激となる。

五、緩走と本走の比率は1:1を基本とす
六、心身の疲労を自覚したときは、緩走の比率を高めよ

第二節 【一走四十】

一、走の時間は、40分を上限と定めよ

第三節 【拾遺】

一、天候の乱れ等によりで走が困難なる時は、走を飛ばし筋に転ぜよ
二、緩走と本走の速度は、それぞれ三強度分類のゾーン1とゾーン2に該当す

筋論

第一節 【器具導入のすゝめ】

一、筋は可変式重器(可変式ダンベル)及び行台(トレーニングベンチ)を用いて自宅にて行うを推奨す
二、本論次節以降に記す「筋の掟」はこれら器具の活用を前提としたものなり

第二節 【種目の二分】

一、筋の種目は、「筋・甲」と「筋・乙」の二種に分割せよ
二、筋に際しては、これらのいずれかを交互に行う

第三節 【一筋三十】

一、筋の時間は、25分を上限と定めよ
二、前条を守るため、以下を心掛けよ

  • 各種目2巡(セット)とすること
  • 多関節種目を優先すること
  • 無隙の行(スーパーセット)を積極的に活用すること

第四節 【拾遺】

一、各種目の目標回数は10回を基本としつつも、種目により柔軟に調整せよ
二、力を込める瞬間に息を吐き、決して呼吸を止めるなかれ
三、あと2回は正しい動作にて行える余力を残し(2 RIR)、その巡(セット)を終えるべし
四、重器を挙げるときは「速く」、戻すときは「丁寧に」行うべし

以下は、我が筋の構成なり。
種目は各々の目的により変ずるとも、参考のため記す。

【筋・甲】
1. フルスクワット
2. トライセプスエクステンション
3-1. サイドレイズ 12回
3-2. リアレイズ 12回
3-3. アブローラー or レッグレイズ 可能な回数

【筋・乙】
1. インクラインプレス
2. バックエクステンション
3-1. ワンハンドロウ
3-2. ハンマーカール
3-3. オブリークアブローラー or バイシクルクランチ 可能な回数

補論

第一節【睡眠】

一、睡眠は走筋教徒にとって、最も重要なる生理活動の一つなり
二、睡眠の時間は、7時間を最低限とし、8時間を以て理想とせよ
三、起床の際、観測機(スマートウォッチ等)を用いて、安静時心拍や心拍変動を確かめるもまた有用なり

第二節 【水の掟】

一、起床後は直ちに300ml程度の水を飲み、乾きし身体を潤せ
二、各行の後にも水を飲み、失われし水分を補うべし

第三節 【防護と構築】

一、起床の後、および行の30分前から行開始までの間に「防護の水」(EAA、必須アミノ酸)を補給するを推奨す
二、行の30分前を目安に、聖果(大きめのバナナ)の2/3程、もしくはそれに相当する糧を摂取し、行の燃料とせよ
三、行の直後には、残りの聖果、もしくはそれに相当する糧に加え、「構築の水」(プロテイン)を補給するを推奨す
四、構築の水は、昼食の後などに追加することも検討せよ

第四節 【覚醒の黒水】

一、「覚醒の黒水」(普通のコーヒー)には、行の効果を高める効能あり
二、各行の30分前を目安に、覚醒成分(カフェイン)換算で200mg程度、即席黒水(インスタントコーヒー)なれば6g弱を摂取せよ

第五節 【回復の儀】

一、各行、殊に走の行を終えたる後には、自律神経の回復等を目的とした「回復の儀」を行うを推奨す
二、これは行台(トレーニングベンチ)等に下肢を挙上したる状態で仰向けとなり、5~10分の間目を瞑(つむ)り、呼吸に意識を集中する儀なり
三、その際の呼吸は、鼻から4秒かけて吸い、6秒かけて吐くを基本の型とせよ
四、儀の最中、雑念の湧き起こるに気づかば、意識を呼吸へと戻すべし
五、儀の後は、まず座し、その身を起こすべし。ふらつかん

理はここに記された。
迷いは規律に任せ、日々を万全に。

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